
施主の役割と墓石への刻印
葬儀や法要、お墓などにかかる費用を支払う責任者のことを、施主といいます。施主は、亡くなった方の思いを大切にしながら、葬儀から埋葬、そしてその後の供養まで、一連の儀式を滞りなく行う大切な役割を担います。
まず、葬儀においては、葬儀社の担当者と打ち合わせをし、葬儀の日程や規模、形式などを決定します。僧侶への読経の依頼、参列者への連絡、香典の管理なども施主の仕事です。また、火葬場の手配や、埋葬の手配なども行います。
葬儀後には、四十九日や一周忌、三回忌などの法要を営みます。法要の日取りや場所、参列者の調整、お布施の準備なども施主が中心となって行います。さらに、お墓を新たに建てる際には、石材店と相談して墓石の種類やデザイン、 inscriptionなどを決めるのも施主の役割です。墓石には、一般的に施主の名前が刻まれます。これは、故人を偲び、冥福を祈るだけでなく、子孫に故人の存在を伝えていく意味もあります。
近年は、家族葬や直葬など、葬儀の形式も多様化しています。また、お墓を持たない樹木葬や散骨なども選ばれるようになってきました。しかし、どのような形式であっても、故人の最期の儀式を執り行い、その後の供養を担う施主の役割は変わりません。時代が移り変わっても、故人の思い出を次の世代へ繋いでいく、その大切な役割を担うのが施主なのです。