
お墓の竿石:種類と役割
お墓の中心に位置する竿石は、家名を刻む大切な石です。お墓の一番上にあり、故人の名前や戒名、没年月日などが刻まれます。竿石はお墓の顔とも言える、最も目立つ部分であり象徴です。
竿石には大きく分けて和型と洋型があります。和型の竿石は縦長で、家紋や梵字、蓮の花などの彫刻が施されていることが多いです。竿石の大きさは一般的に七寸から八寸ほどで、地域や宗派、個人の好みによって異なります。竿石の下には、上台、中台、芝台と呼ばれる台座が設けられていることが一般的です。これらの台座は、竿石を安定させ、より荘厳な雰囲気を醸し出します。また、和型の竿石は、先祖代々のお墓によく見られる伝統的な形です。
一方、洋型の竿石は横長で、棹石と呼ばれることもあります。洋型の竿石には、十字架や天使などの宗教的なモチーフや、故人の好きだった花や風景などの彫刻が施されることもあります。最近では、自然石をそのまま用いた竿石なども人気を集めています。洋型の竿石は、和型に比べてシンプルなデザインが多く、現代的なお墓に用いられることが増えています。
竿石は、故人の霊魂が宿る大切な場所と考えられています。そのため、お墓参りの際には、竿石に水をかけ、丁寧に拭き清めることが大切です。また、竿石に刻まれた文字が薄くなってきた場合は、追加彫りをすることで、故人を偲ぶ気持ちを新たにすることができます。竿石は、故人の存在を後世に伝える大切な役割を担っていると言えるでしょう。