遺骨処理

粉骨とは、亡くなった方の骨をパウダー状に細かくする作業のことです。まるで小麦粉のようにサラサラとした状態にすることで、自然に還りやすくする目的で行われます。 遺骨を自然に還す散骨を行う際には、この粉骨が欠かせません。散骨では、粉末状にした遺骨を海や山、空などに撒くことで、故人を自然へと送り返すという意味合いが込められています。そのため、散骨を行う際には、必ず遺骨を粉末状にする必要があります。この粉骨の作業は、専門の業者に依頼するのが一般的です。 火葬場での火葬が終わった後、ご遺族は遺骨を骨壺に納めます。その後、この骨壺を粉骨を専門に行う業者へ送ります。業者では、ご遺族の大切な遺骨を丁寧に扱いつつ、専用の機械を用いて粉末状に加工します。骨壺から取り出した遺骨は、まず金属片などを取り除く作業が行われ、その後、粉骨機で２ミリメートル以下のパウダー状になるまで細かく砕かれます。こうして粉末化された遺骨は、散骨に適した状態になり、自然へ還る準備が整います。 近年、散骨を選ぶ方が増えている背景には、様々な理由が考えられます。自然に回帰したいという考え方が広まっていること、お墓を建てる場所が不足していること、そしてお墓の後継者への負担を軽くしたいという思いなど、時代の変化とともに、弔いの形も多様化しています。粉骨は、こうした散骨という弔いの形を実現するための大切な手順と言えるでしょう。 また、粉骨を行うことで、骨壺よりも小さな容器に納めることができるようになり、保管場所にも困らなくなるという利点もあります。