
無宗教葬という選択
近年、特定の宗教にとらわれない葬儀、いわゆる無宗教葬を選ぶ人が増えてきています。 従来の葬儀では、仏教やキリスト教、神道といった宗教に基づいた儀式が中心でしたが、無宗教葬では読経や焼香といった宗教色の濃い儀式は行いません。その代わりに、故人の好きだった音楽を流したり、思い出の写真や映像を上映したりと、故人の人生を振り返り、参列者みんなで思い出を共有する自由な形式で執り行われます。
無宗教葬が選ばれる理由の一つに、従来の葬儀にまつわる費用や複雑なしきたりへの負担感があります。お布施の額に悩んだり、慣れない作法に戸惑ったりといった負担を避けたいと考える人が増えているのです。また、そもそも特定の宗教を信仰していない人や、特定の宗教に則った葬儀を望まない人もいます。さらに、自分らしいスタイルで故人を送りたいと考える人が増えていることも、無宗教葬の増加に繋がっています。故人の趣味や人となりを反映した、より個別性の高い葬儀を希望する傾向にあると言えるでしょう。
このような需要の高まりを受けて、無宗教葬に対応できる葬儀社も増えてきています。無宗教葬に特化したプランを用意している葬儀社もあり、それぞれの希望に合わせた葬儀の形を提案してくれるでしょう。また、無宗教葬であっても、葬儀の基本的な流れは従来の葬儀と大きく変わりません。通夜や告別式を行い、火葬場で荼毘に付すという流れは変わりませんので、安心して相談することができます。それぞれの想いを大切に、故人を偲ぶ大切な時間を送るために、無宗教葬という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。