税金

記事数:(2)

終活

葬儀費用の医療費控除:知っておくべきポイント

医療費控除とは、一年間に支払った医療費の合計が一定額を超えた場合、その超えた分を所得から差し引くことで、所得税の負担を軽くする制度です。一年間に家族全員が支払った医療費の合計が十万円を超えた場合、もしくは所得金額の5%を超えた場合、少ない方の金額を基準として、それを超えた金額が控除の対象となります。 この医療費控除は、病院や診療所での診察料や入院費、治療費、薬代といった医療に関わる費用だけでなく、幅広い費用が対象となります。例えば、通院のための電車賃やバス代、自家用車を使った場合はガソリン代や駐車場代も含まれます。また、医師の指示による治療のための、あん摩マッサージ指圧師や鍼灸師などへの施術費用、治療のために購入した、コルセットや義肢、松葉杖などの費用も対象となります。 葬儀に関連する費用については、原則として医療費控除の対象とはなりません。葬儀は、亡くなった方を弔うための儀式であり、医療行為とはみなされないからです。しかし、亡くなる直前までの入院費や治療費、医師による往診料、処方された薬代などは医療費控除の対象となります。例えば、自宅で療養中に医師の指示で購入した医療機器のレンタル代や、看護士による訪問介護の費用なども対象となる場合があります。 医療費控除を受けるためには、領収書などの証明書類を保管しておくことが重要です。確定申告の際に、これらの書類を添付して申告する必要があります。また、医療費控除の対象となる範囲や条件は細かく定められていますので、国税庁のホームページなどで確認するか、税務署や税理士に相談することをお勧めします。控除の対象となるかどうか曖昧な場合は、事前に確認することで、思わぬ税負担を避けることができます。
手続き

残された人のための準確定申告

人生の終わりは、誰しもが迎えるものであり、避けることはできません。そして、残された家族は、故人の思い出を大切にしながら、様々な手続きをしなければなりません。葬儀や法要といった行事の準備に加え、故人の財産や負債の整理、各種の名義変更など、多くの事務処理が必要となります。これらの手続きの中でも、特に重要なのが税金に関する手続きである「準確定申告」です。これは、故人の所得に対する最後の税務処理であり、必ず行わなければならないものです。初めてこの手続きに直面する方にとっては、複雑で難しく感じるかもしれません。しかし、手続きの流れを理解し、一つずつ丁寧に進めていくことで、スムーズに完了させることができます。この文章では、「準確定申告」とは一体どのような手続きなのか、なぜ必要なのか、そして具体的な手続き方法について、分かりやすく説明していきます。まず、「準確定申告」とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得を計算し、所得税を確定させるための申告です。通常、私たちは生きている限り毎年この申告を行いますが、亡くなった方の場合は、その年の1月1日から亡くなった日までの所得を計算し、最後の申告を行います。これを「準確定申告」と呼びます。この申告を行うことで、故人の所得に対する税金の計算が正しく行われ、未納の税金があれば納付、払いすぎた税金があれば還付を受けることができます。また、相続税の計算にも影響するため、準確定申告は相続手続きにおいても重要な役割を担っています。次の章では、準確定申告に必要な書類や手続きの流れについて、具体的に見ていきましょう。