
墓石の磨き方:滑らかな表面の作り方
磨き板とは、文字通り石を研磨して滑らかに仕上げた板のことです。まるで鏡のように美しく輝くその姿は、故人の思い出を偲ぶにふさわしい風格を墓石に与えます。
磨き板の製作は、まず原石選びから始まります。石材店は、豊富な知識と経験を活かし、墓石に最適な原石を厳選します。ひび割れや不純物の有無、色味や石の模様など、様々な観点から原石の状態を見極める必要があります。選定された原石は、大型の切断機によって綺麗に二つの面で切断されます。こうして板状になったものが、スラブ材と呼ばれます。
このスラブ材こそが、様々な形の墓石へと姿を変える前の重要な素材となります。和型の角柱状の墓石、洋型の横長の墓石、あるいはデザイン墓石など、墓石の形状は多岐に渡りますが、その全てはこのスラブ材から作られます。スラブ材は、研磨機によって丁寧に磨き上げられます。この工程は、墓石の最終的な美観を決定づける重要な作業です。熟練の職人が、石の種類や特徴に合わせて適切な研磨方法を選択し、丹念に磨き上げていきます。粗い研磨から始まり、徐々に細かい研磨へと段階を進めることで、滑らかで光沢のある表面が生まれます。
こうして丁寧に磨き上げられた磨き板は、深い艶と美しい光沢を放ち、故人の永眠の地にふさわしい荘厳な雰囲気を醸し出します。磨き板は、単なる石材ではなく、故人の思い出を未来へと繋ぐ大切な役割を担っていると言えるでしょう。