白提灯

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葬儀

白張提灯:葬儀における役割と意味

白張提灯とは、白い紙を張って作られた提灯のことです。名前の通り、絵や家紋などは一切入っておらず、簡素な作りとなっています。お葬式やお法事、特に初盆などによく使われ、私たちにとって馴染み深いものです。 提灯には様々な種類がありますが、白張提灯は神聖な意味を持つ特別な提灯です。白い色は清らかさの象徴であり、故人を弔う厳かな場にふさわしい色とされています。故人の霊が迷わずあの世へ旅立てるように、道しるべの役割も担っていると言われています。 白張提灯は、地域によって形や大きさ、使い方が異なる場合があります。関東地方では丸い形の提灯が一般的ですが、関西地方では六角形のものを使う地域もあるそうです。また、地域によっては、四角い白張提灯を使用する地域も存在します。さらに、大きさも様々で、故人の霊が迷わずに帰って来られるように、初盆には特に大きな白張提灯を用意する地域もあります。このように、細かい違いはありますが、故人を偲び、冥福を祈る気持ちは日本全国共通です。白張提灯は、故人の霊を送り出す大切な役割を担うとともに、遺族の深い悲しみを表すものと言えるでしょう。 白張提灯には、故人の名前や家紋を墨書きで入れる場合もあります。家紋を入れる場合は、提灯の正面上部に家紋、その下に故人の戒名、俗名、没年月日などを記すことが一般的です。戒名は故人が仏弟子になった証であり、あの世での名前を示す大切なものなので、白張提灯に記すことで、故人の成仏を祈る意味が込められています。このように、白張提灯は単なる照明ではなく、故人の冥福を祈る気持ちを表す大切な道具なのです。