狩衣

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葬儀

神式の葬儀における神衣

神道で行われる葬儀、つまり神葬祭では、亡くなった方に白い衣装を着せます。これを神衣といいます。この神衣は、神職の方が着る衣装とよく似た形で作られています。神道の教えでは、人は亡くなると神様になると考えられています。ですから、この世からあの世へと旅立つ故人の魂を神聖な存在へと導くために、神衣は大切な役割を果たしているのです。 神衣の白という色は、神様の世界の清らかさを表しています。この白い衣装を身にまとうことで、故人は神様のもとへ行くのにふさわしい姿になるのです。神衣には、故人の魂を清め、神様の世界へと送り出すという意味が込められています。また、神衣には、故人の霊魂を悪霊から守る力があると信じられています。 神衣は、ただの服ではありません。故人の尊厳を守り、神様への敬意を表す神聖な衣装です。神衣を着せることで、遺族は故人の冥福を祈り、故人が安らかにあの世へ旅立てるようにと願います。神衣は、故人と遺族、そして神様を繋ぐ大切な架け橋と言えるでしょう。 近年では、神衣にも様々な種類があります。伝統的な形のものから、現代的なデザインのものまで、故人の好みに合わせて選ぶことができます。また、神衣を着せるだけでなく、故人の好きだったものと一緒に棺に入れることもあります。これは、故人があの世でも楽しく過ごせるようにという願いを込めたものです。このように、神衣は、故人を偲び、その死を悼む大切な儀式の中で、重要な役割を担っているのです。