
三大法会:釈尊の生涯を偲ぶ
お釈迦様の一生における大切な出来事を祝う、三大法会というものがあります。これは涅槃会(ねはんえ)、灌仏会(かんぶつえ)、成道会(じょうどうえ)の三つの法会からなり、それぞれお釈迦様の亡くなられた日、お生まれになった日、悟りを開かれた日を祝うものです。これらの法会は、仏教を信じる人々にとって、お釈迦様の教えを深く心に刻み、信仰をより一層深めるための大切な機会となっています。
涅槃会は、お釈迦様が入滅された陰暦2月15日に行われます。この日、お釈迦様が入滅に至るまでの様子を描いた涅槃図を掛け、その前で読経や焼香を行います。また、故人を偲び、冥福を祈る意味も込められています。
灌仏会は、お釈迦様のお誕生日を祝う行事で、陰暦4月8日に行われます。この日に、花で飾られた小さなお堂の中に安置された誕生仏に甘茶を注ぎます。これは、お釈迦様が生まれた時に、天から九頭の竜が甘露の雨を降らせて産湯としたという言い伝えに由来するものです。甘茶をかけることで、心身を清め、煩悩を洗い流すという意味が込められています。
成道会は、お釈迦様が悟りを開かれた陰暦12月8日に行われます。この日、お釈迦様が悟りを開かれた時の喜びを分かち合い、その功績をたたえます。夜通しで行われることもあり、徹夜成道会とも呼ばれます。
お寺ではこれらの日に特別な儀式が行われ、多くの人が参拝に訪れます。また、家庭でも仏壇に花や果物、お菓子などをお供えし、お釈迦様の偉業を偲びます。三大法会は、仏教を信じる人々にとって、ただ儀式を行うだけでなく、お釈迦様の一生に触れ、その尊い教えを再確認する大切な行事として、今日まで大切に受け継がれています。