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お供え

葬儀における榊の役割

古来より、日本では常に緑をたたえる木々を神聖なものとして崇めてきました。その中でも、榊は特に神聖な木として、人々の信仰と深く結びついてきました。一年を通して色褪せることのない濃い緑の葉は、永遠に続く命の象徴とされ、神聖な場所を守る力、そして神々との繋がりを象徴するものと考えられてきたのです。 神社の境内には、必ずと言っていいほど榊が植えられています。これは、榊が神聖な場所を守る力を持つと信じられているからです。神々の住まう場所である神社に榊を植えることで、神聖な空間を保ち、神々を敬う気持ちを表しているのです。また、神事にも榊は欠かせません。神様に捧げる玉串として、あるいは神聖な空間を清めるために用いられます。常緑の葉は変わることのない永遠の命を象徴し、神様への変わらぬ信仰を表すのにふさわしいとされてきました。 家庭でも、神棚や祭壇には榊が供えられます。清浄な空間を作ることで、神々を迎える準備を整え、日々の暮らしの中で神様の加護を願うのです。毎朝、新鮮な榊を供えることで、神様への感謝の気持ちを表し、家族の安寧を祈ります。 このように、榊は単なる植物ではありません。人々の信仰と深く結びつき、神聖な象徴として、古くから大切にされてきた特別な存在なのです。その力強い生命力は、私たちに永遠の命を想起させ、神々との繋がりを感じさせてくれます。