
葬儀における壁代:神聖な空間を演出
壁代とは、神道において神聖な場所を示すために使われる白い布のことです。神社ではよく見かけますが、神式の葬儀でも祭壇の後ろや横に張られます。白い色は清らかさを表し、神聖な空間を作り出す役割を担います。壁代を張ることで、故人が神様のもとへ旅立つ神聖な儀式であることを示し、参列者も厳粛な気持ちで故人を見送ることができます。
古くは貴人の屋敷などでも部屋の仕切りとして使われていた歴史があり、神道における古くからの大切な要素の一つと言えるでしょう。壁代があることで、葬儀場はただの場所ではなく、神聖な空間へと変わります。その白い布は、故人の魂が天へとのぼっていくための道しるべとなるのです。故人の霊前で祈りを捧げる時、壁代の白さが私たちの心を清め、故人の冥福を心から祈る気持ちへと導いてくれます。
壁代を張る意味は、神社においても葬儀においても共通しています。それは、神聖な場所とそうでない場所を区切り、神聖な場所を守るという意味です。神社では神様のいらっしゃる場所を示し、葬儀では故人の魂が天へ還る神聖な儀式が行われる場所を示しています。白い布は、目に見える形での神聖さの象徴であり、神事には欠かせないものです。神式の葬儀においては、故人が神様のもとへ旅立つ大切な儀式を執り行う場であることを示すため、壁代が重要な役割を果たしているのです。
壁代は、単なる白い布ではなく、神聖さを示す象徴であり、日本の伝統的な信仰と深く結びついています。故人を偲び、冥福を祈る場において、壁代の存在は参列者の心に静けさと敬虔な思いをもたらし、儀式をより荘厳なものにします。神式の葬儀に参列する際には、壁代にも目を向け、その意味を考えてみるのも良いでしょう。