曹洞宗

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墓石

曹洞宗の墓石:静かな安らぎの象徴

日本の禅宗の一派である曹洞宗は、鎌倉時代に道元禅師によって中国から伝えられました。その教えは、ただ机上で学ぶだけでなく、実際に体験することを重視した実践的な仏教です。道元禅師は中国で修行を積み、帰国後、只管打坐(しかんたざ)という座禅の教えを広めました。これは、ただひたすらに姿勢を正し、呼吸を整え、座禅に打ち込むことで、雑念を払い、心を落ち着かせ、悟りの境地に至るという修行法です。 道元禅師の教えは人々に感銘を与え、多くの弟子が集まりましたが、曹洞宗が全国へと広まったのは、瑩山禅師の功績によるところが大きいです。瑩山禅師は、道元禅師の教えを分かりやすく解説し、一般の人々にも理解しやすいように広めました。その結果、曹洞宗は全国各地に寺院が建立され、庶民の間に深く浸透していきました。 八百年もの歴史を持つ曹洞宗は、お釈迦様から続く教えを大切に守り伝えています。その教えの中心にあるのは、日常生活の全てが修行であるという考え方です。歩く、食べる、眠るといった日常の何気ない動作も、心を込めて行うことで、心を磨き、仏の道に近づくことができるとされています。座禅は、この教えを実践するための大切な方法の一つです。座禅によって心身を調え、穏やかな心で日々の生活を送ることが、曹洞宗の目指す生き方です。 曹洞宗は、葬儀や法要などの儀式にも独自の作法があります。故人の霊を弔い、冥福を祈るとともに、残された人々が心を癒やし、新たな一歩を踏み出すための大切な機会となっています。人生の節目において、曹洞宗の教えは人々に寄り添い、心の支えとなっています。
仏教

曹洞宗のお墓:形式にとらわれず自由に

お釈迦様がお亡くなりになってから約二千年、仏教は様々な国に広まり、それぞれの土地の風土や文化に合わせて変化してきました。日本においても様々な宗派が生まれ、人々の暮らしに深く根付いています。その中でも、曹洞宗は鎌倉時代に中国から伝えられた禅宗の一派で、只管打坐(しかんたざ)と呼ばれる坐禅を重視することで知られています。 曹洞宗は、道元禅師によって開かれました。道元禅師は中国で仏教を学び、帰国後に只管打坐を修行の中心とした教えを広めました。只管打坐とは、ただひたすらに坐禅をすることで、心の静寂を取り戻し、本当の自分自身を見つめ直す修行方法です。 曹洞宗の本尊は、お釈迦様です。「南無釈迦牟尼仏」と唱えることで、お釈迦様への感謝と帰依の気持ちを表現します。曹洞宗には、総持寺や永平寺といった由緒ある大きなお寺が各地に存在し、多くの人々が参拝に訪れています。特に永平寺は道元禅師が開いたお寺であり、修行の道場として現在も多くの雲水が修行に励んでいます。東京都港区にある長谷寺も曹洞宗のお寺の一つで、都心でありながら静かな雰囲気の中で参拝することができます。 曹洞宗は、坐禅だけでなく、日常生活における心の持ち方や行動についても具体的な教えを説いています。食作法と呼ばれる食事の作法や、掃除、洗濯といった日常の動作一つ一つにも心を込めて行うことを大切にしています。これらの教えは、現代社会を生きる私たちにとっても、心の安らぎを得るためのヒントとなるでしょう。 また、葬儀や法要についても曹洞宗独自の作法があります。読経の内容や焼香の作法などは他の宗派とは異なる部分があり、曹洞宗の僧侶による丁寧な説明を聞くことで、故人の冥福を祈ると共に、曹洞宗への理解を深める良い機会となるでしょう。葬儀に参列する際は、作法に注意を払うだけでなく、故人を偲び、共に過ごした時間を大切に思い出すことが大切です。