
お墓の方位、六向拝で解決!
六向拝とは、仏教の教えに基づく、あらゆる方角への敬いの心を表す考え方です。東西南北に加え、上と下、この六つの方角全てに仏様が存在すると考え、等しく敬うことを意味します。
お墓を建てる方角に迷う人は少なくありません。昔から、東向きは縁起が良い、西向きは避けるべきだ、といった様々な言い伝えが語り継がれてきました。こうした言い伝えは、太陽の動きや風水などの影響を受けて生まれたものと考えられます。西日が当たる場所は、お墓が早く劣化するという現実的な理由もあるでしょう。このような様々な情報に触れると、どうしても方角が気になってしまうのも当然のことです。
しかし、六向拝の教えに照らし合わせれば、お墓の方角に吉凶はありません。仏様はあらゆる場所に存在し、私たちを見守ってくださっているからです。大切なのは、故人を偲び、敬う心であり、方角にこだわる必要はないのです。
お墓は、故人の霊を祀る場所であると同時に、遺族にとっての心の拠り所でもあります。静かで落ち着いた場所にしたい、故人が好きだった景色が見える場所にしたい、など、遺族の想いは様々でしょう。六向拝の教えは、方角にとらわれず、ご自身の心に従って、お墓を建てる場所を決めて良いということを教えてくれます。故人を想い、心安らげる場所を選ぶことが何よりも大切なのです。
六向拝の考え方は、私たちに心のゆとりを与えてくれます。方角の吉凶に悩んだり、迷ったりするのではなく、故人を敬う気持ち、そして自身の心に素直に従うことが大切です。お墓参りに訪れる度に、穏やかな気持ちで故人と向き合えるような、そんな場所を選んでいきましょう。