打敷

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仏具

葬儀に用いる白い打敷

打敷(うちしき)とは、仏壇や仏具、経机などを覆う布製の敷物のことです。お寺の本堂や禅堂などの須弥壇(しゅみだん)と呼ばれる壇上や、お坊さんがお経を読む際に座る場所にも敷かれています。 打敷の主な素材は、金襴や錦などの織物です。金糸や銀糸で華やかな模様が織り込まれており、光沢があって重厚感と格式を感じさせます。この美しい布は、単に仏具を汚れや埃から守るだけでなく、神聖な場所を荘厳(そうごん)し、仏様への敬意を表す大切な役割も担っています。 普段、家庭の仏壇などで使う打敷は、金襴で織られた華やかなものが一般的です。金糸の輝きが、仏壇全体を明るく荘厳な雰囲気に仕立てます。一方、葬儀や法事といった儀式で用いる打敷は、白か黒のものが多く見られます。これは、故人を偲び、弔意を表す色として使われているのです。白や黒の落ち着いた色合いは、厳粛な雰囲気の中で故人を悼む気持ちを表すのにふさわしいと言えるでしょう。 このように打敷は、仏事における大切な道具の一つです。素材や色、模様にはそれぞれ意味があり、場面や目的に合わせて使い分けることで、より一層心を込めた供養を行うことができます。また、打敷は古来より受け継がれてきた日本の伝統文化の一部でもあります。その美しさや奥深さを知ることで、仏事への理解もより深まるのではないでしょうか。