
香典の基礎知識:葬儀のマナー
香典とは、葬儀に参列する際、故人の霊前に供える金銭のことです。もともとは、お香や線香といったお供え物の代わりに金品を納めていたことから、「香典」と呼ばれるようになりました。現在では、葬儀や通夜に参列する際、遺族に渡す金銭全般を指す言葉として広く使われています。
香典には、故人の冥福を祈る気持ちと、遺族の葬儀費用などの負担を少しでも和らげたいという気持ちが込められています。香典を渡す際には、ふくさに包み、受付で袱紗から取り出して、表書きが見えるように両手で差し出し、受付の人に渡します。
香典の金額は、故人との関係性や自分の年齢、地域によって大きく変わります。一般的には、友人や知人、職場の同僚の場合は五千円から一万円、親族の場合は一万円から数万円が目安です。会社の上司や恩師など、目上の方の場合は一万円程度、祖父母や両親など近しい親族の場合は三万円から十万円、それ以上になることもあります。
香典袋の表書きは、通夜の場合は「御霊前」、葬儀・告別式の場合は「御香典」、四十九日法要以降は「御仏前」と書くのが一般的です。水引は、地域や宗派によって異なりますが、一般的には黒白、もしくは双銀の結び切りの水引を使用します。
香典は、故人を偲び、遺族を支えるための大切な行為です。金額の多寡ではなく、故人を弔う気持ちと遺族への配慮を大切にすることが重要です。