
三十五日法要の意義と意味
三十五日とは、仏教で人がこの世を去ってから三十五日目に行う法要のことです。初七日から数えて五週目にあたるため、五七日とも呼ばれます。小練忌という別名もあります。
三十五日の数え方ですが、亡くなった日を含めて数える地域と、亡くなった次の日から数える地域があります。特に関西地方では、亡くなった前日から数えて三十五日目とする風習が見られるようです。そのため、同じ三十五日法要でも、行われる日が異なる場合がありますので、注意が必要です。
現代では、葬儀や四十九日法要などに比べて、三十五日法要の認知度は低いと言えます。しかし、古くから、三十五日は閻魔大王による最初の裁きが行われる重要な日とされていました。閻魔大王は、故人の生前の行いを裁き、その後の行き先を決める神様だと考えられています。そのため、三十五日目に法要を行い、故人の冥福を祈ることは、とても大切な意味を持つとされていました。
地域によっては、三十五日を忌明けの日として扱うこともあります。忌明けとは、喪の期間が終わる日のことで、この日を境に、日常生活に戻っていくという意味があります。例えば、神社への参拝や祝い事への参加などは、忌明けまでは控えるのが一般的です。四十九日を忌明けとする地域が多いですが、三十五日を忌明けとする地域も存在します。
三十五日法要を行うかどうかは、それぞれの家の習慣や、地域によって異なります。近年では簡略化される傾向にありますが、故人を偲び、冥福を祈る大切な機会として、今も見直されつつあります。もし三十五日法要を行う場合は、僧侶に読経してもらい、故人の霊を弔います。また、家族や親族で集まり、故人の思い出を語り合う場とするのも良いでしょう。