
偲ぶ会という弔いの形
近年、お葬式のやり方は実にさまざまになってきています。特に、家族やごく親しい人たちだけで行う家族葬のように、小規模なお葬式が増えています。そのため、お葬式とは別に、友人や知人、仕事で関わりのあった人たちなどが集まり、亡くなった方を偲ぶ会を改めて開くことが多くなってきました。これは、お葬式と告別式を一緒に行う従来の形とは違う、新しい弔いの形と言えるでしょう。
偲ぶ会は、亡くなった方の生前の功績をたたえたり、思い出を語り合ったりする場として、多くの人に選ばれています。お葬式自体は小規模にして、後日改めて偲ぶ会を開くことで、より多くの人と故人の思い出を分かち合うことができるのです。お葬式では、悲しみや慌ただしさでゆっくりお別れを言う時間がないこともありますが、偲ぶ会であれば、落ち着いた雰囲気の中で、故人にじっくりと思いを伝えることができます。
偲ぶ会には決まった形式はなく、自由な形で故人を送ることができます。例えば、故人が好きだった音楽を流したり、思い出の写真や動画を上映したり、好きだった食べ物を用意したりと、故人の人となりが伝わるような演出をすることができます。また、参列者も服装に決まりがなく、故人と過ごした日々のことを気軽に語り合うことができます。
このように、偲ぶ会は、故人の人生を祝福し、共に過ごした時間を振り返り、感謝の気持ちを表す貴重な機会となります。また、遺族にとっては、多くの人から故人の思い出を聞き、改めて故人の存在の大きさを実感する機会にもなるでしょう。
従来のお葬式とは異なる新しい弔いの形である偲ぶ会は、故人を偲び、多くの人と心の繋がりを再確認できる大切な場として、今後ますます広まっていくと考えられます。