多世帯墓

多世帯墓とは、読んで字のごとく複数の世帯で使うことができるお墓のことです。昔からのお墓は、たいてい一つの世帯が持ち主となって、子や孫へと受け継いでいくものでした。しかし、子どもが少ないことや、夫婦と子どもだけの家族が増えている今の世の中では、お墓を受け継ぐ人がいない、あるいは管理が大変といった問題が起きています。こうした中で、近年注目されているのが多世帯墓です。これは、一族や親戚など、複数の世帯が一緒になって使い、管理していくお墓です。受け継ぐ人がいない問題を解決する方法の一つとして期待されています。 多世帯墓には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、一族や親戚など、関係の深い家々が一緒に入る合葬式のお墓です。もう一つは、個別の納骨スペースが設けられているタイプで、それぞれの家のスペースが区切られています。どちらのタイプを選ぶかは、それぞれの家の考え方や事情に合わせて決めることができます。 多世帯墓には、受け継ぐ人がいない問題を解決できるだけでなく、費用面でもメリットがあります。お墓を維持していくためのお金を受け持つ世帯が多くなるため、一世帯あたりの負担を軽くすることができます。また、一緒にお墓参りをすることで、親戚同士のつながりを深める機会にもなります。 昔からのお墓の考え方にとらわれず、今の時代の変化に合わせた新しいお墓の形と言えるでしょう。お墓のことで悩んでいる方は、多世帯墓という選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。