
斜墓誌:現代的なお墓のかたち
斜墓誌とは、近ごろ増えてきた横長の洋型墓石でよく見かける墓誌の書き方のことです。昔からある墓誌は、お墓とは別に、板のような石をお墓の前に置くのが普通でした。でも、斜墓誌はご遺骨を納める場所の手前に、ゆるやかな坂を作ります。そして、その坂の部分に名前などを刻んで墓誌として使うのです。つまり、お墓と墓誌が一つになった形になります。
この形だと、狭い場所でも墓誌を置くことができるので、お墓の区画が小さくなっている今、とても都合が良い方法です。お墓参りに来る人も、かがまずに文字を読めるので楽です。また、見た目も、昔ながらの墓誌とは違う、個性的な表現ができます。たとえば、石の色や模様と組み合わせることで、故人の好きだった花や風景などを思わせるデザインも可能です。文字の大きさや書体も自由に選べるので、故人の人となりを表現するのに役立ちます。
斜墓誌は、費用面でもメリットがあります。墓誌を別に作る必要がないので、その分の費用を抑えることができます。また、墓石全体がコンパクトになるため、設置費用や管理費用も抑えられる場合があります。
さらに、斜墓誌はバリアフリーの観点からも注目されています。段差がないので、車椅子の方やお年寄りでも安全にお参りできます。また、文字が読みやすい高さにあるため、目の不自由な方にも配慮した設計と言えるでしょう。このように、斜墓誌は現代のニーズに合った、様々な利点を持つ墓誌の形式と言えるでしょう。