墓移動

改葬とは、一度埋葬したご遺骨を他の場所に移動し、再び埋葬する手続きのことです。お墓を移すことを想像すると分かりやすいでしょう。すでに土葬、あるいは納骨されたご遺骨を掘り起こし、新しい場所に埋葬する、つまりご遺骨の引っ越しのようなものです。 この改葬を行う理由は様々です。例えば、お墓の管理が難しくなった場合が挙げられます。お墓のある場所が遠方で、高齢になったためお墓参りに行くのが困難になった、あるいは後継者がいなくてお墓の維持管理ができないといった事情で、自宅近くにお墓を移したり、永代供養墓や納骨堂などに移したりするケースが増えています。また、親族が眠るお墓に一緒に入りたいという理由で、ご遺骨を他の墓地から移す場合もあります。 近年は、墓地不足や費用負担の軽減といった理由から、散骨を選択する人が増えています。散骨を行うためには、まずご遺骨を墓地から取り出す必要があり、この場合も改葬の手続きが必要となります。その他、お墓の老朽化による建て替えや、墓地の整理統合に伴う移転なども、改葬の理由となります。 改葬を行う際には、様々な手続きが必要です。まず、現在の埋葬場所の市町村役場で改葬許可証を発行してもらいます。そして、ご遺骨を移す先の埋葬場所に受入証明書を発行してもらいます。これらの書類が揃って初めて、ご遺骨を移動することができます。改葬は、故人の永眠の場所を変える大切な手続きです。そのため、関係者との十分な話し合いと、丁寧な準備が不可欠と言えるでしょう。