
和型墓石の選び方
和型墓石は、日本で古くから使われてきた伝統的なお墓の形です。別名「三段墓」とも呼ばれ、上から天・地・人を表す三段構造となっています。この形には、ご先祖様と子孫の繋がりを大切にし、家系が末永く栄えるようにという願いが込められています。
一番上の部分は「棹石(さおいし)」と呼ばれ、故人の名前や家紋、戒名などが刻まれます。中央の「中台(なかだい)」には、建立年月日や建立者名が刻まれることが多いです。一番下の「下台(しもだい)」は、お墓全体の土台となる部分で、安定感を高める役割を担っています。
和型墓石は、その重厚感と風格から、お墓らしい厳かな雰囲気を醸し出します。その落ち着いた佇まいは、故人を偲び、静かに祈りを捧げるのにふさわしい空間を作り出します。また、和型墓石は、石の種類や彫刻、装飾など、様々なバリエーションがあります。そのため、それぞれの家の伝統や故人の人柄を反映した、個性的なお墓を建てることができます。
近年は、洋型墓石やデザイン墓石など、様々な種類のお墓が登場していますが、和型墓石は今もなお多くの人々に選ばれています。それは、日本の伝統的な文化や価値観を大切にしたいという気持ちの表れと言えるでしょう。和型墓石は、時代を超えて受け継がれてきた、日本の墓石の原点とも言える存在です。古き良き伝統を守りながら、故人の冥福を祈る。和型墓石は、そんな日本人の心に深く根ざした、大切な文化遺産なのです。