
団体葬儀:故人を偲ぶ共同体の弔い
団体葬儀とは、故人が所属していた団体が主催となって執り行う葬儀のことです。例えば、会社や労働組合、業界団体、地域団体などが、その構成員であった故人のために葬儀を執り行う場合がこれに該当します。
個人で行う葬儀とは大きく異なり、葬儀の規模や形式、費用負担などは、団体ごとの規定や慣例によって決定されます。遺族は葬儀の準備や運営にある程度関わることもありますが、多くの場合は団体が中心となって葬儀を進めていきます。そのため、遺族の精神的、肉体的、経済的な負担を軽減できるという大きな利点があります。特に、故人が高齢であったり、配偶者がすでに亡くなっている場合など、遺族だけで葬儀を執り行うことが難しい場合に、このメリットは大きなものとなります。
団体葬儀は、故人の社会的な繋がりを反映した葬儀の形式と言えるでしょう。故人が生前にどのような団体に所属し、どのような活動をしていたのか、参列者を通して偲ぶことができます。また、参列者にとっても、故人と共通の知り合いと出会い、故人の人となりを知る貴重な機会となるでしょう。
近年、企業が執り行う団体葬儀は減少傾向にありますが、これは企業の規模縮小や終身雇用制度の衰退などが背景にあると考えられます。一方で、地域社会との繋がりが深い方や、特定の団体に多大な貢献をした方などを中心に、団体葬儀は現在もなお行われています。葬儀の形式も、従来の形式にとらわれず、それぞれの団体や故人の想いを反映した、様々な形で行われるようになってきています。