
枕机と葬儀のしきたり
枕机とは、お葬式や法事といった故人を偲ぶ場で、故人の霊前に供え物を置くために使う小さな机のことです。この机は、故人の枕元、つまり頭を北に向けた時には北側に置かれることから、「枕机」と呼ばれています。
一般的には、四本の脚で支えられた台の上に白い布を掛けた簡素な作りになっています。大きさは様々ですが、比較的小さく、持ち運びしやすいものが多く見られます。この机の上に、故人が生前好んでいた食べ物や飲み物、愛用していた品々などを供え、故人の霊を慰めます。
供える物は、地域や宗派、あるいは家の習慣によって様々です。故人が好きだったお菓子や果物、お茶などを供えることもあれば、線香やろうそく、花などを供えることもあります。また、宗派によっては、特別な供え物が決まっている場合もありますので、迷った場合は葬儀社に相談すると良いでしょう。
枕机の形も様々で、四角い形のものや丸い形のものなどがあります。素材も木製のものや金属製のものなど、地域や家の習慣によって様々です。近年では、葬儀社であらかじめ用意されている場合がほとんどですので、特に自分で用意する必要はありません。しかし、もし故人が愛用していた小さな机などがあれば、それを枕机として使うことも可能です。その場合は、葬儀社に相談してみましょう。
枕机は、故人の霊前で故人を偲び、冥福を祈るための大切な道具です。葬儀社に依頼すれば、適切な枕机を用意してくれますので、葬儀の準備をする際には、忘れずに相談するようにしましょう。