修正会

記事数:(1)

仏教

修正会:新たな年の始まりに

年の初めに、身も心も清らかに新たなスタートを切りたい。そんな願いを込めて行われるのが修正会です。修正会は、正月に寺院で行われる仏教の儀式で、一年間の無病息災や家内安全などを祈願します。この儀式の名前は「過去の行いを正し、来るべき一年を良いものにする」という意味が込められています。 修正会の起源は、はるか昔、古代インドで行われていた「プシャー」という儀式にまで遡ります。「プシャー」とは、サンスクリット語で、花や香り高いお香、あきらかな灯明などを仏さまにお供えし、読経やお祈りを捧げる儀式のことです。人々はプシャーを通して、自らの行いを省み、過ちを悔い改め、これからの行いを正そうとしました。また、良い行いを積み重ねることで、功徳を積むことも目的としていました。 このプシャーが、仏教とともに中国に伝わりました。中国では、道教の儀式などの影響を受けながら、形を変え、発展していき、やがて修正会へと変化していったのです。そして、奈良時代、仏教とともに日本にもたらされました。日本においても、修正会は宮中や寺院で盛んに行われるようになり、人々の生活に深く根付いていきました。 年の初めに罪を悔い改め、新たな気持ちで一年を始めるための大切な行事として、今日まで大切に受け継がれています。静かなお堂の中で、厳かに行われる修正会は、私たちに新たな希望と活力を与えてくれることでしょう。