仏舎利

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仏教

舎利への理解を深める

「舎利」とは、もとより仏陀、すなわちお釈迦様の遺骨を指す言葉です。この言葉は、火葬の後に残った骨のことを広く指しますが、現在では高僧や聖職者のような、徳の高いとされる方の遺骨も舎利と呼ぶようになっています。 一般的には、火葬後に残る骨全体を舎利と呼ぶこともありますが、特に骨の一部が宝石のように透き通り、美しい輝きを放つ結晶化したものや、真珠のように丸みを帯びたものを舎利と呼ぶこともあります。これらは、仏陀が積み重ねてきた善行の結晶であり、あるいは厳しい修行によって得られた成果の象徴として、大切に扱われています。 仏陀が入滅された後、その遺骨は8つの国に分けられ、それぞれの国で舎利を納めるために塔が建てられたと伝えられています。このことから、舎利は単なる遺骨ではなく、信仰の対象として、人々から敬いの気持ちを集めていることがわかります。仏陀の教えを尊び、その遺徳を偲ぶ人々にとって、舎利は仏陀の存在を身近に感じられる大切なものです。 また、舎利は故人の善行や功績を偲び、後の世に語り継ぐための重要な役割も担っています。舎利を納めた舎利塔は、故人の功徳を後世に伝えるための記念碑としての役割も果たしているのです。舎利は、仏教において、信仰の対象であると同時に、故人の徳を偲び、その教えを後世に伝えるための大切な役割を担っていると言えるでしょう。 このように、舎利は単なる骨ではなく、深い意味を持つ尊いものとして、大切に扱われているのです。