
人生の締めくくり方を考える
「終活」という言葉は、昔は仕事を探す活動のことでしたが、今では人生の終わりに向けての準備をする活動として広く知られています。 晩婚化や結婚しない人が増えていること、子どもが少なくお年寄りが多い社会になっていること、そして人それぞれが持つ死に対する考え方が多様化していることが、終活が注目される背景にあります。人生の最後の時をどのように過ごしたいのか、家族に迷惑をかけずにどのように最期を迎えたいのか、自分らしい最期を迎えるにはどうすればいいのか、このような問いに対する答えを探す活動が終活です。
終活には様々な活動が含まれます。例えば、葬式やお墓の準備、医療や介護について考えること、財産をどのように残すのかを決めておくこと、身の回りの整理整頓、パソコンや携帯電話の中のデータの整理、自分史を作ったり、お世話になった人たちに感謝の気持ちを伝えることなどです。 これらは、どれも大切な準備と言えるでしょう。葬式やお墓については、どのような式にしたいのか、お墓はどのようなものにするのか、あるいは散骨や樹木葬など自然葬を希望するのかなど、自分の希望を具体的に決めておくことが大切です。医療や介護についても、延命治療を希望するのか、どのような介護を受けたいのかなど、自分の意思を明確にしておくことが重要です。また、相続に関しても、遺産をどのように分配するのか、遺言書を作成しておくことで、残された家族の負担を軽減することができます。
身の回りの整理整頓も終活の大切な要素です。 不要な物を処分することで、身軽になるだけでなく、残された家族が整理する手間を省くことができます。最近では、デジタルデータの管理も重要になっています。パソコンや携帯電話、ソーシャルメディアアカウントなど、デジタルデータの整理や処分方法を決めておくことも必要です。
人生100年時代と言われる現代では、終活は高齢者だけでなく、若い世代にとっても大切なテーマとなっています。 早いうちから終活について考えることで、自分の人生をより良く生きるための指針を見つけることができるかもしれません。自分らしい人生の締めくくりを迎えるために、終活は今や誰にとっても必要な活動と言えるでしょう。