
エンディングノートで想いを伝える
人生の最期を迎えるにあたり、自分の思いや大切な情報を書き残すノート、それがエンディングノートです。このノートは、家族や親しい人たちへ伝えたい感謝の言葉をつづる場として、また、葬儀やお墓に関する希望を伝える手段として役立ちます。さらに、パソコンや携帯電話といったデジタル機器上の財産の管理方法や、心に残る思い出の記録を残すこともできます。
エンディングノートの内容は実に様々です。日ごろの暮らしの中で感じた感謝の気持ちや、人生を振り返っての反省、そして未来への希望などを自由に書き記すことができます。また、葬儀の形式や規模、希望する埋葬方法、お墓の場所など、自分の送られ方についても具体的に書き残すことができます。近年、普及が進んでいるデジタル機器のパスワードや、利用しているサービスの情報なども、残された家族が困らないよう整理しておくと安心です。
エンディングノートは法的な効力を持つものではありません。しかし、このノートに残された言葉は、故人の意思を理解し、尊重するための大切な手がかりとなります。残された家族は、故人の思いに触れることで、悲しみを乗り越え、前向きに生きていく力をもらえるかもしれません。また、エンディングノートを書くことは、自分自身の人生を振り返り、これからの人生をどのように生きていくかを考える良い機会となります。高齢者だけでなく、若い世代の間でも、自分の人生を見つめ直し、未来への道しるべとしてエンディングノートを活用する動きが広まっているのは、こうした理由からです。
エンディングノートは、人生の棚卸しをするためのツールであり、未来への希望を託す手紙でもあります。自分らしい最期を迎えるためにも、そして大切な人たちに思いを伝えるためにも、エンディングノートを書いてみませんか。人生のどの段階で書き始めても遅すぎることはありません。大切なのは、自分の気持ちに素直に向き合い、ありのままの思いを書き記すことです。