
納骨のための終活:自分らしい最期を迎えるために
「終活」とは、『人生の終わりのための活動』を短くした言葉です。二〇一二年の新語・流行語大賞にも選ばれる候補になったほど、広く知られるようになりました。人は誰でもいつか必ず亡くなりますが、その最期を迎えるにあたり、様々な準備をしておくことを終活と言います。単なる準備ではなく、残りの人生をより良く生きていくための活動とも言えます。
以前は、終活というと、もっぱら葬儀の段取りやお墓、財産の相続といった事柄をあらかじめ決めておくことだと考えられていました。しかし、最近は終活に対する見方が変わりつつあります。遺された家族に苦労をかけたくない、最期まで自分らしくありたい、残りの人生をもっと充実させたい。こうした願いを実現するための活動として、終活はより前向きなものとして捉えられるようになってきました。
終活の中心にあるのは、人生の締めくくりをどう迎えるか、それを自分自身で考え、準備することです。例えば、どんな葬儀にしたいのか、あるいは葬儀は行わずに静かに送ってほしいのか、自分の希望を書き残しておくことができます。また、介護が必要になった場合にどんな風に過ごしたいのか、延命治療を希望するのかどうかなど、医療に関する考えも整理しておきましょう。財産については、誰に何を相続させるのかを明確にしておくことで、家族間のトラブルを防ぐことができます。
こうした準備をしておくことは、残された家族の負担を軽くするだけでなく、自分自身も安心して残りの人生を過ごすことができます。そして、これからの人生をどう生きるかを考えることで、毎日をより大切に、より意味のあるものとして過ごすことができるはずです。人生の最期を意識することで、今この時を大切に生きようという気持ちが芽生え、終活は残りの人生をより豊かなものにするための大切な活動と言えるでしょう。