予修

寿牌とは、生前に戒名（かいみょう）を授かり、死後の幸せを願う仏教の儀式のことです。戒名というのは、本来は亡くなった後に与えられるものですが、寿牌の場合は生前に戒名をいただきます。これは、自分が生きているうちに、自分の死後の幸福を祈るという意味があります。 また、自分よりも先に亡くなった家族、特に本来は自分よりも長生きするはずの子供や孫が亡くなった場合にも、寿牌を用いて冥福を祈ります。自分より先に亡くなった肉親のことを弔う意味で、寿牌を準備することもあります。生きている間に、故人の冥福を祈ることで、故人の霊を慰め、自分も心安らかに日々を過ごせるようにとの願いが込められています。 寿牌は「逆修（ぎゃくしゅう）」や「予修（よしゅう）」とも呼ばれます。「逆修」とは、本来は亡くなった後に執り行う法要を生前に執り行うことを指します。つまり、順序が逆になっているという意味です。一方、「予修」は、事前に準備をするという意味です。どちらも生前に死後の準備をするという意味では同じです。 寿牌を作ることで、自らの死について考える機会となり、残された人生をより大切に生きようという気持ちになるとも言われています。また、寿牌を持つことで、周囲の人々に自分の死生観を伝えることもできます。さらに、生前に戒名を持つことで、葬儀の手続きを簡略化できるという利点もあります。 寿牌は、寺院に依頼して作ってもらうことができます。費用や手続きなどは、寺院によって異なりますので、直接問い合わせてみるのが良いでしょう。自分の死後のことについて考え、準備を始めることは、決して縁起が悪いことではありません。むしろ、自分の人生をより良く生きるための大切な一歩と言えるでしょう。