三夜袋

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葬儀

頭陀袋:故人の最期の旅支度

頭陀袋とは、亡くなった方の首にかける小さな袋のことを指します。故人の魂をあの世へと導くための道しるべとして、また、この世への未練を断ち切るために、葬儀や火葬の際に用いられます。地域によっては、「すみ袋」や「さんや袋」など、様々な呼び名で呼ばれています。 この小さな袋には、六文銭を入れるのが一般的です。六文銭とは、三途の川の渡し賃といわれており、あの世への旅路に必要なものとされています。また、故人の愛用していた品々や、故人にゆかりのある品々を納めることもあります。例えば、煙草を好んでいた方であれば煙草やライター、眼鏡を愛用していた方であれば眼鏡、髪の手入れに気を遣っていた方であれば櫛など、故人の生前の姿を偲ばせる品が良いでしょう。数珠や故人が大切にしていた手紙、写真などもよく納められます。最近では、故人の思い出の品を小さな容器に入れて、頭陀袋の中に入れるという場合も増えています。 頭陀袋に入れる品物を選ぶ際には、いくつか注意点があります。火葬に適さないものや、爆発の危険性があるものは避ける必要があります。例えば、電池で作動する電子機器や、スプレー缶などは危険ですので、入れてはいけません。また、故人の好きだった食べ物や飲み物を入れる場合も、腐敗しやすいものや、火葬炉を汚損する可能性のあるものは避けるべきです。 頭陀袋は、故人の最期の旅立ちを支えるための大切な品です。故人の霊が迷わず成仏できるように、故人の生きた証となる品々を頭陀袋に納め、故人の最期の旅路を弔いましょう。故人の冥福を祈り、心を込めて頭陀袋を用意することが大切です。