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仏教

供養塔:故人を偲ぶ祈りの形

供養塔とは、故人の霊を慰め、冥福を祈るために建立される塔の総称です。その形状や目的は様々で、私たちの身近にも多くの供養塔が存在しています。代表的なものとしては、寺院などで見かける壮麗な多宝塔が挙げられます。多宝塔は、二重塔のような構造で、下層は方形、上層は円形をしています。内部には仏像や経典などが安置され、故人の霊を慰め、功徳を積むための祈りの場となっています。奈良の興福寺にある三重塔も多宝塔の一種です。 また、墓石の傍らに立てられる卒塔婆も供養塔の一種です。卒塔婆は板状の形状をしており、故人の追善供養を目的として建てられます。表面には経文や戒名、没年月日などが記され、故人を偲び、冥福を祈る気持ちを表します。卒塔婆は、追善供養の際に僧侶によって読経が行われる神聖なものです。 五重塔も実は多宝塔の一種であり、奈良の法隆寺五重塔はその代表例として広く知られています。法隆寺五重塔は、わが国最古の五重塔であり、その荘厳な姿は見る者を圧倒します。このように、供養塔は大きさや形状は様々ですが、故人を供養するという共通の目的のもとに建立されています。時代や地域によって様々な形の供養塔が存在し、それぞれに込められた深い意味や歴史があります。供養塔を目にする機会があれば、故人を偲び、静かに手を合わせることで、私たちの心も安らぎを得ることができるでしょう。