葬儀に用いる白い打敷
お葬式について質問
先生、『打敷』って、お葬式とかでよく見る敷物のことですよね?どんな時に使うものなのでしょうか?
お葬式の研究家
そうだね。『打敷』は仏壇や仏具にかける敷物のことだよ。お葬式のような儀式でよく使われるね。仏壇を荘厳にする、つまり格式高く飾るために使われるんだよ。
お葬式について質問
じゃあ、いつも同じものを使うんですか?
お葬式の研究家
いい質問だね。実は使い分けるんだ。お葬式の時は白を使うことが多いけど、地域によっては、四十九日を終えたら赤や他の色を使うこともあるんだよ。普段は金糸などを使ったきらびやかなものを使うことが多いね。
打敷とは。
お葬式やお仏壇などで使われる布製の敷物のことについてです。この敷物は「打敷(うちしき)」と呼ばれ、金糸や銀糸で模様が織り込まれた豪華な布で作られることが多いです。お葬式の時には白い布を使いますが、地域によっては、四十九日などの忌明け後には赤や他の色のものを使うこともあります。
打敷とは
打敷(うちしき)とは、仏壇や仏具、経机などを覆う布製の敷物のことです。お寺の本堂や禅堂などの須弥壇(しゅみだん)と呼ばれる壇上や、お坊さんがお経を読む際に座る場所にも敷かれています。
打敷の主な素材は、金襴や錦などの織物です。金糸や銀糸で華やかな模様が織り込まれており、光沢があって重厚感と格式を感じさせます。この美しい布は、単に仏具を汚れや埃から守るだけでなく、神聖な場所を荘厳(そうごん)し、仏様への敬意を表す大切な役割も担っています。
普段、家庭の仏壇などで使う打敷は、金襴で織られた華やかなものが一般的です。金糸の輝きが、仏壇全体を明るく荘厳な雰囲気に仕立てます。一方、葬儀や法事といった儀式で用いる打敷は、白か黒のものが多く見られます。これは、故人を偲び、弔意を表す色として使われているのです。白や黒の落ち着いた色合いは、厳粛な雰囲気の中で故人を悼む気持ちを表すのにふさわしいと言えるでしょう。
このように打敷は、仏事における大切な道具の一つです。素材や色、模様にはそれぞれ意味があり、場面や目的に合わせて使い分けることで、より一層心を込めた供養を行うことができます。また、打敷は古来より受け継がれてきた日本の伝統文化の一部でもあります。その美しさや奥深さを知ることで、仏事への理解もより深まるのではないでしょうか。
項目 | 説明 |
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打敷(うちしき)とは | 仏壇や仏具、経机などを覆う布製の敷物。お寺の本堂や禅堂などの須弥壇や、お坊さんがお経を読む際に座る場所にも敷かれる。 |
主な素材 | 金襴や錦などの織物。金糸や銀糸で華やかな模様が織り込まれており、光沢があって重厚感と格式を感じさせる。 |
役割 | 仏具を汚れや埃から守るだけでなく、神聖な場所を荘厳(そうごん)し、仏様への敬意を表す。 |
種類 |
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その他 | 場面や目的に合わせて使い分ける。日本の伝統文化の一部。 |
葬儀における打敷
葬儀は、故人の魂を敬い、冥福を祈る大切な儀式です。読経や焼香、供物など、様々な作法が執り行われますが、これらの儀式をより荘厳なものとするために欠かせないのが、白布で仕立てられた打敷です。
打敷は、仏壇や経机、香炉などの仏具の上に掛けて用いる布のことです。葬儀の際に用いられる打敷は、一般的に白一色で仕立てられています。白は、清らかさや潔白さを表す色であり、神聖な儀式にふさわしいとされています。また、白は穢れを祓い清める力があると信じられており、故人の霊前で用いることで、故人の魂を清め、安らかにあの世へと旅立たせるという意味が込められています。
葬儀場全体が厳粛な雰囲気に包まれる中、白い打敷は、その雰囲気をより一層深める効果があります。白い打敷が掛けられた祭壇は、神聖な場所として参列者の心に静けさと敬虔な気持ちを抱かせます。また、白い打敷は、故人の霊を包み込むように、安らぎと静寂をもたらすかのようです。
故人が生きた証を偲び、冥福を祈る大切な時間に、白い打敷は静かに寄り添い、葬儀という神聖な空間を荘厳する役割を担っています。それはまるで、故人の魂の清らかさを象徴するかのようです。そして、参列者一人ひとりが故人の霊を敬い、弔いの心を新たにする場を作り出しているのです。
アイテム | 説明 | 意味/役割 |
---|---|---|
葬儀 | 故人の魂を敬い、冥福を祈る大切な儀式。読経や焼香、供物など様々な作法が執り行われる。 | |
打敷 | 仏壇や経机、香炉などの仏具の上に掛けて用いる白布。 | 清らかさや潔白さを表し、穢れを祓い清める。故人の魂を清め、安らかにあの世へと旅立たせる。葬儀という神聖な空間を荘厳する。故人の魂の清らかさを象徴する。 |
打敷の色(白) | 清らかさ、潔白さを表す。神聖な儀式にふさわしい。穢れを祓い清める力を持つ。故人の霊を包み込み、安らぎと静寂をもたらす。 |
地域による色の違い
葬儀で使われる打敷の色は、地域によって大きく異なることがあります。一般的には白が多く用いられますが、故人が無事にあの世へ旅立ち、安らかに過ごしていることを願う気持ちの表れとして、四十九日や一周忌といった忌明け後に、赤や金など華やかな色の打敷を使う地域もあります。
白い打敷は、清浄を表す色として、故人の霊を敬い、弔いの気持ちを示すために使われます。一方、忌明け後に用いられる色鮮やかな打敷は、悲しみを乗り越え、前向きに生きていこうとする遺族の決意の表れでもあります。例えば、赤は生命力を象徴する色であり、故人の魂の永遠の命を願う気持ちを表しています。金色は、仏様の輝きを表す色として、故人が仏様のもとで安らかに過ごしていることを願う気持ちの表れとされています。
このように、色の捉え方や風習は地域によって様々です。そのため、葬儀で使われる打敷の色は、それぞれの土地の伝統や文化を反映したものとなっています。故人の霊を敬い、弔いの気持ちを表すという根底にある想いは同じですが、その表現方法は実に多様です。例えば、故人の好きだった色を使う地域や、特定の色を不吉として避ける地域もあります。
地域ごとの色の意味や歴史を知ることで、その土地の文化への理解を深めることができます。葬儀は、故人を偲び、別れを告げる場であると同時に、地域社会の繋がりを再確認する場でもあります。それぞれの地域に根付いた独自の文化を尊重し、故人の霊を弔うことが大切です。そのためにも、葬儀を執り行う際には、その土地の慣習や風習に配慮することが重要です。
打敷の色 | 意味 | 使用時期 |
---|---|---|
白 | 清浄、弔いの気持ち | 一般的に葬儀 |
赤 | 生命力、故人の魂の永遠の命 | 四十九日や一周忌といった忌明け後 |
金 | 仏様の輝き、故人が仏様のもとで安らかに過ごしていること | 四十九日や一周忌といった忌明け後 |
その他 | 故人の好きだった色など、地域独自の文化 | 地域による |
打敷の選び方
お仏壇を荘厳する大切な布である打敷。その選び方について、いくつか注意点があります。まず第一に、お仏壇や仏具の大きさに合ったものを選ぶことです。大きすぎる打敷は見た目に不釣り合いで、小さすぎると仏壇を覆いきれず、埃や汚れから守るという本来の役割を果たせません。お仏壇の幅と奥行きをきちんと測り、それに合ったものを選びましょう。
次に、ご自身の宗派に合った打敷を選ぶことが肝要です。宗派によって仏具の配置や種類が異なり、それに合わせて打敷の形や模様も変わってきます。例えば、浄土真宗では三角の打敷や角打敷、日蓮宗では四角の打敷を用いることが一般的です。ご自身の宗派をよく確認し、適切な打敷を選びましょう。
また、葬儀の際に用いる打敷は、一般的に白ですが、地域によっては色の指定がある場合もあります。葬儀社に確認することで、失礼のないように準備できます。
打敷の素材も重要な選択基準です。古くから用いられている金襴や錦などの織物は、重厚感があり、お仏壇をより荘厳に彩ります。一方、近年は化繊素材の打敷も増えており、手入れのしやすさや価格の安さが魅力です。耐久性や価格、見栄えなどを考慮し、用途や好みに合わせて適切な素材を選びましょう。
打敷は仏壇を美しく飾り、神聖な空間を作る大切なものです。これらの点に注意して、お仏壇にふさわしい一枚を選び、故人を偲び、心を込めてお参りしましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
サイズ | お仏壇や仏具の大きさに合ったものを選ぶ |
宗派 | ご自身の宗派に合ったものを選ぶ(浄土真宗:三角or角、日蓮宗:四角など) |
葬儀用 | 一般的には白だが、地域差もあるため葬儀社に確認 |
素材 |
用途や好みに合わせて選択 |
打敷の手入れと保管
打敷は、仏壇を荘厳する大切な敷物であり、故人の冥福を祈る際に欠かせないものです。そのため、常に清潔な状態を保ち、大切に扱うことが重要です。
日頃の手入れとしては、柔らかい布で優しく乾拭きし、埃や汚れをこまめに取り除きましょう。この際、強く擦ったり、力を入れすぎると生地を傷める原因となりますので、注意が必要です。また、ろうそくのすすなどで汚れが目立つ場合は、中性洗剤を水で薄めた液を布に含ませ、優しく叩くようにして汚れを拭き取ります。洗剤が残らないよう、その後は水拭きし、しっかりと乾燥させることが大切です。
洗濯機や乾燥機は使用せず、必ず陰干しで乾燥させましょう。直射日光に当てると、色褪せや生地の劣化を招くため、避けるべきです。
保管する際は、丁寧に折りたたみ、防虫剤とともに湿気の少ない場所に保管します。桐の箱などは通気性が良く、湿気を防ぐ効果もあるため、保管に適しています。特に、金襴や錦などの織物は、湿気を帯びるとカビが発生しやすいため、定期的に風通しの良い場所で陰干しを行い、湿気を防ぐことが重要です。また、折りたたんだ際に、金糸や刺繍の部分が他の布地に触れて擦れないように、和紙などを挟むと、金糸の劣化や刺繍のほつれを防ぐことができます。
適切な手入れと保管を行うことで、打敷の美しさを長く保ち、故人を偲ぶ大切な場を荘厳することができます。子孫に受け継ぐべき大切なものとして、丁寧に扱いましょう。
種類 | 日常の手入れ | 汚れがひどい場合 | 乾燥方法 | 保管方法 | 注意点 |
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打敷 | 柔らかい布で優しく乾拭きし、埃や汚れをこまめに取り除く。 | 中性洗剤を水で薄めた液を布に含ませ、優しく叩くようにして汚れを拭き取る。その後、水拭きし、乾燥させる。 | 陰干し | 丁寧に折りたたみ、防虫剤とともに湿気の少ない場所に保管する。桐の箱が適している。 | 洗濯機・乾燥機は使用しない。直射日光を避ける。金襴や錦などの織物は定期的に陰干しを行う。折りたたんだ際に、金糸や刺繍の部分が他の布地に触れて擦れないように、和紙などを挟む。 |