御会式:日蓮聖人の遺徳を偲ぶ

御会式:日蓮聖人の遺徳を偲ぶ

お葬式について質問

先生、『御会式』って葬式と何か関係があるんですか?終活で準備しておくこととかあるんでしょうか?

お葬式の研究家

いい質問だね。『御会式』は、日蓮聖人の亡くなった日に行われる法要のことだよ。葬式とは少し違うんだ。毎年10月12日と13日に行われるから、日蓮宗のお寺ではお祭りみたいなお祝いをするんだよ。

お葬式について質問

じゃあ、お葬式ではないんですね。でも、終活ですることってあるんですか?

お葬式の研究家

そうだね、終活で『御会式』に何かしておく、ということは特にないよ。日蓮宗の信者さんであれば、毎年のお参りとして参加する行事だね。檀家になっているお寺があれば、そのお寺の御会式に毎年参加して、日蓮聖人の教えを学ぶ機会にするといいね。

御会式とは。

お葬式や、人生の終わりに向けての準備に関する言葉で、『お会式』というものがあります。これは、日蓮聖人の命日に行われる法要のことです。毎年10月12日と13日に行われ、身延山久遠寺をはじめ、全国の日蓮宗のお寺で盛大に営まれます。

日蓮聖人の命日

日蓮聖人の命日

日蓮聖人の命日は、日蓮宗にとって最も大切な日であり、毎年10月13日に営まれる『御会式(おえしき)』という法要をもって偲びます。この行事は、日蓮聖人が弘安5年(1282年)10月13日に亡くなられてから今日まで、750年以上もの長きにわたり、途切れることなく続けられてきました。

御会式は、単なる法要ではなく、日蓮聖人の教えと遺徳を偲び、感謝の祈りを捧げる大切な行事です。この日には、全国各地から多くの信者が日蓮聖人ゆかりの寺院や全国の日蓮宗寺院に集います。特に、日蓮聖人が入滅された池上本門寺をはじめとする主要寺院では、盛大な法要が営まれます。

法要では、読経や唱題が行われるほか、日蓮聖人の生涯を描いた絵巻物などが飾られ、参詣者に公開されることもあります。また、日蓮聖人が好んだとされる饅頭を供えるなど、各寺院によって様々な儀式や行事が行われます。

御会式は、日蓮聖人の教えを改めて心に刻み、信仰を新たにする機会であるとともに、日蓮聖人と共に過ごした人々の追慕の情が込められた、厳粛でありながらも温かみのある行事です。参詣者は、日蓮聖人の遺徳に触れ、その教えを後世に伝えていく決意を新たにします。日蓮宗にとって、御会式は信仰の根幹をなす重要な行事として、これからも大切に受け継がれていくことでしょう。

項目 内容
命日 10月13日
行事名 御会式(おえしき)
由来 日蓮聖人の死後、750年以上続く。
内容 読経、唱題、絵巻物公開、饅頭を供えるなど
意義 日蓮聖人の教えと遺徳を偲び、感謝を捧げる。
信仰の根幹をなす重要な行事。
日蓮聖人と共に過ごした人々の追慕の情が込められている。
場所 全国の日蓮宗寺院(特に池上本門寺など)

身延山久遠寺での御会式

身延山久遠寺での御会式

日蓮聖人が最晩年を過ごされた身延山久遠寺は、日蓮宗の総本山として広く知られており、毎年秋に行われる御会式の中心地でもあります。御会式とは、日蓮聖人のご命日を偲ぶ法要であり、身延山久遠寺では特に盛大に執り行われます。毎年10月12日と13日の両日には、全国各地から多くの参詣者が訪れ、境内は大変な賑わいを見せます。

12日には、日蓮聖人の生涯を描いた絵巻物を僧侶が読み解き、参詣者に分かりやすく解説する絵解きが行われます。聖人の教えや功績に耳を傾け、その生き様を学ぶ貴重な機会となっています。夕方には、多くの参詣者が手にしたたいまつが境内の暗闇を照らし出し、幻想的な光景が広がります。ゆらめく炎の行列は、まるで聖人の魂を天へと送るかのようです。

13日には、厳かな法要が執り行われます。読経の声が山々に響き渡り、参詣者は静かに手を合わせ、日蓮聖人の遺徳を偲びます。この法要には、日蓮宗の高僧をはじめ、多くの僧侶が参列し、儀式は厳粛な雰囲気の中で進められます。

両日とも、境内には数多くの露店が軒を連ねます。地元の名産品や、お祭りならではの食べ物などが販売され、参詣者で賑わいます。お祭りの華やかさと、法要の厳粛さが入り混じった独特の雰囲気が、身延山久遠寺での御会式の大きな特徴と言えるでしょう。

日付 イベント 詳細
10月12日 絵解き 日蓮聖人の生涯を描いた絵巻物を僧侶が読み解き、参詣者に解説する。
10月12日(夕方) たいまつ行列 多くの参詣者がたいまつを手に持ち、幻想的な光景が広がる。
10月13日 厳かな法要 日蓮宗の高僧をはじめ、多くの僧侶が参列し、厳粛な雰囲気の中で行われる。
両日 露店 地元の名産品やお祭りならではの食べ物が販売され、賑わう。

万灯練供養

万灯練供養

日蓮聖人の御命日である十月十三日を中心に行われる御会式。その中で、ひときわ目を引く厳かな儀式が、万灯練供養です。この儀式は、日蓮聖人が亡くなられた時の様子を再現したものと伝えられています。数多くの提灯に灯をともした万灯を高く掲げ、読経を唱えながら、街中をゆっくりと練り歩きます。

夜空に無数の提灯のあかりが浮かび上がり、ゆらゆらと揺らめく光景は、この世のものとは思えない幻想的な雰囲気を作り出します。参列した人々は、その荘厳な美しさに心を奪われ、深い感動を覚えることでしょう。提灯のあかり一つ一つは、日蓮聖人の教えを広く世に伝える灯火を表しています。また、日蓮聖人の御霊を慰め、感謝の気持ちを表す大切な供養でもあります。

この万灯練供養は、日蓮宗のお寺によって、その規模や形式は様々です。大きな万灯を複数の人が担いで練り歩くところもあれば、小さな万灯を一人ずつ持ち、行列を作るお寺もあります。また、読経の内容や、練り歩く道順なども、地域や寺院の伝統によって異なっています。しかし、いずれの場合も、御会式の中心的な行事として、大切に受け継がれてきました。万灯のあかりが、人々の心に温かい光を灯し、日蓮聖人の教えを未来へと繋いでいく、そんな大切な役割を担っているのです。

項目 内容
儀式名 万灯練供養
意味 日蓮聖人の死の様子を再現、教えを伝える灯火、御霊を慰め感謝を表す供養
時期 10月13日を中心とする日蓮聖人の御命日(御会式)
内容 多数の提灯に灯をともし、読経しながら街中を練り歩く
規模・形式 寺院によって規模や形式は様々(提灯の大きさ、人数、読経の内容、ルートなど)
意義 御会式の中心行事、人々の心に温かい光を灯し、教えを未来へ繋ぐ

お題目

お題目

日蓮宗の重要な儀式である御会式の中心となるのは、「南無妙法蓮華経」というお題目です。この七文字は、単なる言葉ではなく、日蓮聖人の教えの核心であり、宇宙の真理を凝縮したものです。日蓮聖人は、このお題目を生涯をかけて人々に伝え続けました。御会式において、参詣者たちはこのお題目を唱えることで、日蓮聖人の遺徳を偲び、その教えに深く触れるのです。

御会式で唱えられるお題目は、静かに唱えられるものではありません。太鼓や鉦の音に合わせて、力強く、時には朗々と、唱和されます。この力強い唱和は、自身の内なる生命力を呼び覚まし、心の迷いを振り払う力となります。また、周囲の人々と共に唱えることで、一体感を感じ、互いの信仰を確かめ合う場ともなります。

お題目を唱えることは、日蓮聖人の教えに触れるだけでなく、自分自身と向き合う時間でもあります。日々の生活で忘れがちな感謝の気持ちや、未来への希望を思い起こすきっかけとなるのです。そして、心の平安と生きる力を得て、明日への活力を得ることが出来ます。御会式は、日蓮宗の信者にとって、信仰を新たにする大切な機会となっているのです。

項目 内容
中心となるもの 「南無妙法蓮華経」というお題目
お題目の意味 日蓮聖人の教えの核心、宇宙の真理を凝縮したもの
御会式での目的 日蓮聖人の遺徳を偲び、教えに深く触れる
唱え方 太鼓や鉦の音に合わせて、力強く、時には朗々と唱和
唱えることの効果
  • 自身の内なる生命力を呼び覚まし、心の迷いを振り払う
  • 周囲の人々と一体感を感じ、互いの信仰を確かめ合う
  • 自分自身と向き合う時間となる
  • 感謝の気持ちや未来への希望を思い起こすきっかけとなる
  • 心の平安と生きる力を得て、明日への活力を得る
御会式の意義 日蓮宗の信者にとって、信仰を新たにする大切な機会

地域とのつながり

地域とのつながり

地域とのつながりは、葬儀や終活を考える上で、近年、ますます重要性を増しています。かつては家族や親族が中心となって葬儀を執り行い、故人の思い出を語り継ぎ、地域社会の中で支え合うことが当たり前でした。しかし、核家族化や地域社会の希薄化が進み、葬儀の規模は縮小し、簡素化される傾向にあります。

御会式のような地域の伝統行事は、地域社会のつながりを再認識する貴重な機会となっています。寺院を中心とした地域住民の協力によって準備が進められ、老若男女が一体となって祭りを盛り上げます。露店や屋台の賑わいは、お祭りならではの楽しさを提供し、大人から子供まで多くの人々が笑顔で過ごします。

このような地域行事は、世代を超えた交流の場としても機能します。子供たちは地域の長老たちから昔話を聞き、地域の文化や歴史に触れることができます。高齢者は若い世代との交流を通して、活気を取り戻し、地域社会の一員としての役割を再確認することができます。御会式のような行事は、単なる宗教行事ではなく、地域文化を継承し、地域社会の絆を深めるための重要な役割を担っています。

終活においても、地域とのつながりは大きな意味を持ちます。日頃から地域活動に参加し、近所の人々と交流を深めておくことで、いざという時に助け合える関係を築くことができます。また、地域包括支援センターなどの公的機関や、民間のサービス事業者との連携も重要です。これらの資源を有効活用することで、安心して最期を迎えられるような環境を整えることができます。地域とのつながりを大切にすることは、人生の最終段階をより豊かで穏やかなものにするために欠かせない要素と言えるでしょう。

項目 内容
葬儀の現状 核家族化や地域社会の希薄化により、葬儀の規模は縮小し、簡素化している。
地域行事の意義 地域社会のつながりを再認識する機会を提供。世代を超えた交流の場となり、地域文化の継承や地域社会の絆を深める役割を担う。
御会式の役割 寺院を中心とした地域住民の協力、老若男女の参加、露店や屋台の賑わい。子供は地域文化に触れ、高齢者は活気を取り戻す。
終活における地域とのつながり 日頃からの地域活動参加や近所との交流、公的機関や民間サービス事業者との連携により、安心して最期を迎えられる環境づくり。